F-35に関する米国防総省のレビュー結果
http://www.flightglobal.com/news/articles/special-dod-review-recommends-curtailing-early-f-35-production-365933/
これがFY2013予算のF-35調達に関わる最終的な報告ということになるようだ。
報告書は20頁ほどで、製造を完全に止めるほどの大きな設計上の不備は無かったとしつつ、大きな問題5つと小さな問題8つが指摘されたとのこと。
加えてLMは、これらに取りかかる前に577カ所の設計変更を完了させねばならない。そのための期間は18~24ヶ月と見込まれる。更に言えば、飛行試験はこれから佳境であり、高AOA飛行や兵器システム関連が待ち受ける。ここで不具合が追加されることになろうものなら…というところだが、この辺は流石に何とかするんじゃないだろうか。無理?
ということで、当初計画されていたような、2006年から2016年まで、量産と設計変更を含む開発を同時進行させるのには無理がある、という結論となっている。12月初めに言われたのと大体同じ話だった。
不具合の内容であるが、まず1項目は機密指定のため非公開。その他はHMD関連、フュエルダンプ系、IPPと、C型限定でアレスティングフック。これらはまだ解決策が完全には提示されてない、「重い」問題。
次に、大きな問題がある可能性が高い(地上及び飛行試験による検証がまだ足りない)ものは、高AOA時のバフェッティングの懸念など3項目。
最後にもう少し重要度の低い問題としては、ソフトウェア、重量管理、熱の問題、ALIS、雷防護などの5項目。
http://www.lockheedmartin.com/data/assets/sts/ProductCards/ALIS_PC.pdf
昨年から話題となったF-35B固有の問題は載ってないようで、それらは解決したか、その目処がついたものと考えられる。首の皮一枚と言うところだが、B型導入国は英国が抜けちゃってイタリアとUSMCだけなんだよなあ。
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http://www.flightglobal.com/news/articles/in-focus-f-35-concurrency-reaches-turning-point-366056/
上と同じく、試験と製造を同時進行させる戦略が岐路に立たされている件についての記事。今までの58機と、今後FY2017までの485機の製造計画がこれに該当し、QDRのリーク内容からすると、製造の規模が見直される可能性がある。
LMは、急激な学習曲線を想定して毎年1.5倍から2倍増ぐらいのペースで製造数を延ばす計画だったが、QDRでは2010年、つまり年間30機程度のレベルに抑えることを推奨している。試験用の機体を増やして低率生産を続けるのと同義。またこれは海外向け製造分を抜いた数字とされる。
発覚した不具合や性能への懸念については、既知の問題も含まれており、実際には大きな問題とならない可能性も高い。JSFは史上例を見ない計画だけに、今までの戦闘機開発よりも厳しく精査されているという事もあるが、修正の累積がコスト増に直結するというのも間違いない。この辺の見積は、米国上院軍事委員会とLMとで大きな食い違いを見せているところ。最終的には多めの見積(1機1000万ドル)と少なめの見積(同500万ドル)の間のどこかに落ち着くだろうと思われるものの、素人目にはさっぱり見当が付かない。
QDRでは、このまま進むと生産機521機全てに(飛行試験結果からの修正などの)影響が及ぶとするが、LMの主張ではLRIP-5の後で機体の仕様が確定する、つまり影響を受けるのは88機だけで済むという。
何にしてもLMは、今の計画のまま進めるべきだと強硬に主張している。急激に製造規模を拡大すれば、効率も向上し、機体コストを下げられる。ただメリットは大きくとも実績がついてきてないから、疑いの目で見られてる…というのが現状のようだ。試験結果が厳しく見られてるという面があるにせよ、これはある程度仕方ない。
その最前線がLRIP-5を巡る攻防ということになるわけだが。
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根本的なところで言うと、F-35以外の代替案が全く存在しない以上、米国はF-35と心中するしかない。そういう意味ではプロレス的な、落とし所がある程度見えた議論のような気がしないでもない。とは言え、ここ10年でばっさりヤった新規開発計画も幾つかあるので、可能性ゼロとも言い切れず。でも航空戦力の要で代替案無し、という状況はやはり他とは違う。
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ついでなのでF-X選定についても少し。
今年初めの段階では、正直言ってF-35を選定するメリットが無さ過ぎるように思えたが、秋頃からの提案のように、最終組立ライン設置と一部主要コンポーネント製造まで認めるとなれば、それが文字通りの内容なら、稼働率を維持する最低条件は満たされると言っていいだろう。JSFのレベル1パートナー国に極めて近い待遇で、国内産業的にF-22の完成機購入よりいいかもしれない。少なくともここまで延び延びにならなければ(そしてF-35の試験が長引かなければ)あり得なかった条件での提案というのは間違いない。
低率生産を当面続けるべき、ただし海外向けは別、としているのもポイントになるか。
正直なところ、致命的な欠陥機になるという感じでもないんだよなあ。あくまでもアレなりにだけど。
もし飛行制限が付くとしても、ソフトウェア的に規制するのは難しくないだろうし、能力向上にしてもソフトウェア改修でいろいろできる。でもタダじゃないんだろうな。
LMとしてはLRIP-5の次で機体設計が完成するという青写真を描いてるから、日本向けがロールアウトする頃には最終版になってるはず、という話でもあるのだが、実際そううまく行くのかは又別の話。
一国民としては12/20を待つだけだ。